2008年05月03日

杉並区立和田中学校「よのなか科NEXT」見学 その2

 今回の「よのなか科NEXT」に参加して感じたことですが、(その1にも書きましたが)生徒の考えを否定しないことが大切だと思います。生徒の意見を否定することは大人の狭い思考の枠で生徒の考えを縛ってしまうことになり、さらには「どうせ否定されるから」と生徒の新しい発想もアウトプットされなくなってしまいます。

 「この人には何を言ってもいいんだ」と思える大人との関係を築かせること。確かに教師が相手では、「先生と生徒」という絶対の関係がすでに刷り込まれていますから、難しいかもしれません。そこで地域の方や大学生のお兄さんお姉さんが重要な役割を担うわけですね。全て藤原先生の本に書いてあったような気がしますが、なるほどと腹に落ちたように思います。

 もっとも、そんな関係を築くのは大人の側にとっても試練なのではないかと思います。少なくとも私には、相当ハードルの高いことに思えますね・・・この授業を成功させるには、大人の側のスキルも要求されているように思います。

 さらに、生徒がちゃんと課題に取り組んでいる分にはいいのですが、後半のスポーツグループのようにそもそも課題そっちのけだと、とても難しいです。というのは、すごく個人的なことですが、私は子供を叱るのが大の苦手なのです・・・。親戚の子にしても、以前ボランティアで障害をもつ子供たちを遠足に連れて行く企画に参加したときもそうでした。

 叱ることに抵抗があって、なるべく生徒たちのやりたいようにやらせようとしていたら、結局彼らに課題に取り組ませるどころか悪ふざけをどんどんエスカレートしてしまい、思わず大声で厳しく叱ってしまう。叱り方が下手なのだと思います。

 きっと適切なラインを見極めて叱れば、ほんの小さな「叱り」で済むんですよね。彼らを否定せずに、うまく課題に導くことができればいいのですが・・・。この辺、やっぱりお父さんやお母さんが上手なんじゃないでしょうか。何にせよ、グループをリードしようと思うと大人には相当のスキルが要求されます。

 恐らく、授業の目的は自分が「好き」なことを支えている職業がたくさんあり、それぞれがお互いに関連し合っていることを知り、自分の適性を踏まえながら、広い視野で職業選択ができるようにするということなのだと思います。自分自身、中学生のときには世の中にどんな職業があるかなんて意識したこともなかったし、勉強するのは教師がそう言うから、もしくは高校に進学するためだと思っていましたから、早い段階で職業意識をもつことは素晴らしいと思います。ただ、大人の適切なファシリテーションがなければ、結局この目的は生徒の中に内面化できないかもしれません。

 そして授業そのものもさることながら、その準備、後片付けはとても先生一人ではできませんね。たくさんのマンパワーが必要であり、地域本部を作って地域の人を巻き込んでいる和田中だからこそできる取り組みでもあると思います。(藤原先生は逆に「よのなか科」を核に地域を巻き込むと仰っていましたが。)授業をする校長先生のほかに1グループに1人は大人が必要でしょうし、それに加えて全体に目配りをして校長先生を支えられるスタッフも必要だと感じました。

 現在の代田校長先生もまた、教師として「よのなか科」を実施されるのはまだ3回目ですし、まだまだ試行錯誤中という感じのようです。今後、授業がどのようにブラッシュアップされていくか、生徒たちがどのように変わっていくか、継続して見ていきたいと思います。


 和田中の「よのなか科」の予定はこちら。(和田中と地域を結ぶホームページ)

 その他、全国の取り組みや「よのなか科」の動画などはこちら。(全国[よのなか]科ネットワーク)


(written by tomoya)
ラベル:教育視察
posted by ideamix at 14:24| 教育像の探求 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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