2008年12月25日

補足データ - PISA2006年度の結果(PISA 2006 results- Executive summary)

PISA2006年度の結果(PISA 2006 results- Executive summary)から、各国の科学、数学、読解力に費やす学習時間に関するデータを補足として紹介します。


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科学をみてみると、学校内授業時間数や自習、宿題に取り組む時間が長ければ長いほど、科学の成績向上が見られました。また、生徒の科学学習を推進する学校の活動も、科学成績向上につながっていました。一方で、学校外授業時間数は、科学の成績に直接的に結びついていませんでした。(読解力と数学的リテラシーの学習時間と成績の関係性については述べられていません。)



(Written by Sukekawa)
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数学的リテラシーに関する調査結果 - PISA 2006 Executive Summary 日本語訳&要約

読解力の調査結果はこちら

数学的リテラシー


PISA2006では、生徒が様々な数学的問題に関わる状況で、効果的に問題提起、解決、解釈をするときに必要な分析、論理づけ、表現ができる能力を基に数学的リテラシーが調査されました。


数学


成績はレベル1以下〜6の7段階に区分されました。PISA2006では、全体のわずか13%がレベル5とレベル6の成績を修めました。レベル5とレベル6の成績の割合が多かった国は、韓国(27%)、台湾(32%)でした。日本は523ポイントで10位となりました。



PISA2003との比較

PISA2003では、数学的リテラシーを中心に調査が行われたため、その結果とPISA2006を比較すると、成績に大差は見られませんでした。国ごとに見ると、メキシコ、ギリシャ、インドネシア、ブラジルが成績を大きく伸ばしました。一方、日本、フランス、アイスランド、ベルギーの成績は大きく低下しました。この成績低下の結果は、いずれも低レベルの成績の生徒の割合が増えたことによるものです。日本はPISA2000で557ポイントの1位、PISA2003で534ポイントの6位でした。


数学レベル別


グラフから、日本は平均より高レベルの生徒の割合が比較的多いということがわかります。レベル2は、数学の基礎レベルのラインと考えられていますが、OECDでは78.7%、日本は87%の生徒がレベル2以上の成績を修めました。



男女の成績差異

数学的リテラシーでは、男子生徒のほうが女子生徒より成績を修め、OECD平均では11ポイント、日本の場合、20ポイント男子生徒が成績を上回りました。


(Written by Sukekawa)

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読解力に関する調査結果 - PISA 2006 Executive Summary 日本語訳&要約

今回は、PISA2006年度の結果(PISA 2006 results- Executive summary)の46〜54ページまでの読解力と数学的リテラシーに関する調査の結果をみていきます。


読解力


PISAでは、読解力リテラシーを「生徒が日常生活で出会う文章情報を用いる能力」と定義しています。(この調査で、読解力はreadではなく、useに重点をおかれていることに注意。)この読解力について、成績はレベル1以下〜レベル5に区分されました。
日本は498ポイントで15位となりました。


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PISA2000との比較

PISA2000では読解力を中心に調査が行われたため、2006年度の読解力の結果と比較をしてみると、OECD加盟国中で、大差は見られませんでした。読解力の成績を上げるべく、1995年と2004年の間にOECD加盟国中で、小学校と中等学校の出費は36%増加し、2000年と2004年の間では、小学校と中等学校の出費は平均で22%増加しました。出費を増加した国の中でも、韓国、ポーランド、チリ、リヒテンシュタイン、インドネシア、ラトビア、香港で読解力の成績の伸びが大きく見られました。特に、韓国は、PISA2000と比較して平均点で31ポイント成績を伸ばし、レベル5に達した生徒も各国の中で一番多い結果となりました。ただし、韓国の結果は、主に成績の高い高レベルの生徒の能力を伸ばすことで生み出されたもので、成績の低い生徒の割合はPISA2000と変わっていません。
PISA2000と比較して成績が下がった国は、日本、スペイン、アイスランド、ノルウェー、イタリア、フランス、オーストラリア、ギリシャなどです。日本はOECD平均点を上回ったものの、高レベルに達した生徒の割合がわずかに減り、低レベルに達した生徒の割合が大幅に増えました。日本はPISA2000で522ポイントの8位、PISA2003で498ポイントの14位でした。レベル2は、読解力の基礎レベルのラインと考えられていますが、OECDでは80%、日本は82%の生徒がレベル2以上の成績を修めました。


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男女の成績差異

読解力では、男子生徒より女子生徒のほうが成績は良く、OECDの平均では38ポイント、日本の場合31ポイント女子生徒が成績を上回りました。


数学的リテラシーに続く

(Written by Sukekawa)
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学校制度、教育制度、生徒の取り巻く環境に関する調査結果(その3) - PISA 2006 Executive Summary 日本語訳&要約

その1はこちら
その2はこちら


学校の人材

充分な教師人材の供給や、教育資源の質は、生徒の積極的な成果に結びついており、有利な経済的背景がある生徒はより良い教育資源を手に入れることができるという事実につながっていました。

・教師不足の影響
一人の教師あたりの生徒の平均的な数は、10人以下がポルトガル、ギリシャ、ベルギー、イタリアなどで、20人以下がメキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア、タイ、マカオなどです。教育資源の不足が教育の妨げとなっているという報告がインドネシア、ロシア、モンテネグロ、コロンビアなどで頻繁にされました。一方で、日本、スイス、オーストラリア、台湾などではそのような報告は極めて少ないという結果になりました。


家庭環境

PISA2006の結果からは、学校での悪い成績は必ずしも不利な家庭環境に原因があるといえません。しかし、家庭環境を生徒ごとの経済、社会、文化状況から判断すると、家庭環境は成績に最も影響を与える要因のひとつです。各国で、家庭環境に恵まれていればいるほど、生徒の能力が良いという傾向がみられました。


社会経済的背景の影響

不利な社会経済的要因の多くは、短期間で直接的に国や学校の教育政策に影響を与えるものではありません。しかし、社会経済的背景を考慮に入れて再計算した場合と入れない場合で、成績に関わる学校要因が異なることが調査で分かりました。

要因は以下のようになります。 

社会経済的背景を考慮に入れた場合、成績にかかわる学校要因

・ 全教科で能力別クラス分けをしていること
・ 入学する際に高水準の学術的選択
・ 学校の成績のデータが公的に公表されたかどうか
・ 生徒が科学、数学、言語学習に費やす時間の学校平均
・ 生徒の科学学習を推進させる学校の活動
・ 予算運用に高い自主性を報告した学校の教育制度

社会経済的背景を考慮せずに成績にかかわる学校要因

・ 政府からの資産レベル
・ 地域で生徒の競争がされている学校が1つ以上あること
・ 教師資格をもった教師の不足
・ 学校における教育資源の質


このPISA2006の結果から、生徒の成績に関わってくる学校や教育制度について見直す機会になれば良いと思います。


(Written by Sukekawa)
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学校制度、教育制度、生徒の取り巻く環境に関する調査結果(その2) - PISA 2006 Executive Summary 日本語訳&要約

その1はこちら


クラス分け

OECD加盟国で14%の生徒は全ての教科で能力別クラス分けがされており、54%の学校は一部の教科で能力別クラス分けをしていました。一部の教科で能力別にクラス分けをした学校は、良くも悪くもなく平均的な成績という結果になり、全ての教科で生徒を能力別にクラス分けした学校は、平均的に成績が低いという結果になりました。PISA2006では入学制度、選択、クラス分けの方針を科学の成績と比較できるデータを集めましたが、それぞれの関係の要因は明らかになっていません。


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公立学校と私立学校

私立学校に通う生徒が大半を占めている国の21カ国で、私立学校の生徒は公立学校の生徒より成績が上でした。一方、4カ国で公立学校の生徒は私立学校の生徒より成績が上でした。生徒の社会経済的レベルを考慮すると、公立学校が私立学校の平均12ポイント成績を上回る結果となりました。日本の場合でも、生徒の社会経済的レベルを考慮しないと、成績の大差はありませんが、社会経済的レベルを考慮に入れて再計算すると、公立学校の生徒が私立学校の生徒より成績を上回る結果となりました。つまり、親が子供のために私立学校に入れることで成績がかならずしも向上するわけではないようですが、日本の私立学校には様々なレベルの学校があるので、これはこの調査で注意すべき点です。


学校種類



学校に対する親の圧力

調査に参加したOECD加盟国中21%の生徒は、保護者の多くが高いレベルの教育サービスや生徒の成績向上を要求している学校に通っていました。16カ国中、調査に参加した親は、一般的に積極的で子供の学校についてよく精通していましたが、これは国ごとに差異がみられました。例として、ドイツでは50%以下の親、ポーランドやコロンビアでは90%以上の親が、学校は子供の進度について常時役に立つ情報を提供していると回答しました。日本は、比較的大多数の親が学校に対して圧力をかけていることが結果からわかります。


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(Written by Sukekawa)
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